そういえば秒速5センチメートルを見に行ってきました。
以下反転でやや長文感想。
どうなんでしょうかね。これは。
第一話では中学生の初々しさというか、若さというか。
その微妙な感じがうまく描かれていたと思います。
明里にただ会いに行くという単純な話の中に細かい心理描写が絶妙に入っており
見てて気持ちいいというか心ひかれる感じがしました。
もし、あの手紙を貴樹が渡せたのなら物語はかわっていたのでしょうか。
それとも手紙を無くさなかったとしても貴樹は手紙を渡せたのでしょうか。
第二話では種子島に転校したが、過去に縛られて周りが見えていない貴樹に想いを寄せる花苗の話。
花苗は中学の頃から高校までずっと貴樹のことを想い続けていますが、そのことに全く気づかない貴樹。
この心のすれ違いが非常に切ないです。
花苗が、貴樹は自分のことを見ていないと気づいた時の
『お願いだから、もう、私に優しくしないで･･･』にはかなり心が動かされました。
にしても新海さんはメールとか手紙の描写ってのがホント上手いですなあ。
貴樹が宛先の無いメールを打つ描写は秀逸としか言い様が無いです。
第三話はまさに新海誠氏という感じでした。
物語を終わらせないっていうんでしょうか。
One more time,One more chanceの歌からもわかるように
明里は貴樹と別離し他の男性と幸せになった･･･ってわけではないですよね。
どうなったかは我々次第なんでしょう。
最後の踏み切りのシーン。
明里とすれ違う貴樹。
振り返る貴樹。
貴樹が見た明里は果たして本当に今の明里なのでしょうか。
私は違うと思います。
貴樹が明里とすれ違ったというより、貴樹が再び明里を追うことを決意するということなんじゃないでしょうかね。
その時見た明里は貴樹と再会し、幸せになっている（であろう）明里、つまり未来の明里であると。
One more chance。
自分が分からなくなり、彼女にもフラれ、仕事をやめた。
それでも、もう一度、過去に縛られ、もがいてみようということ。
まあ第三話でもメールのシーンはありましたが、やっぱり素晴しい。
貴樹の心のどこかの虚空を見事に描写してました。
音楽や映像は素晴しいの一言につきます。
話は素晴しいっていうべきなんでしょうか。
とりあえずかなりよかったというか心が揺れ動かされました。
60分という短さも逆によかったです。ちょっと短すぎ感もあるけど。
私はどうもセカイ系というかぶっ飛びすぎた話はあまり得意ではないのですが
今回はその色もほとんど無く、私の好みの色に仕上がってましたし。
まあ最後のシーンの私の解釈はセカイ系に順ずるところがかなりあるのですが（ぉ
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